歪みのうちがわ

ぶらぶらしたり、忙しかったりしながら生活しています。

桃の膠?

膠って、日本画絵の具に使われる動物由来の素材で、煮出す時に猛烈な臭気を放つ…という知識しかなかったけど、つまりはゼラチンということみたい。よって「桃膠」とは桃のゼラチンということだ。

 

西早稲田にある甘露というお店で今日食べた「紅棗銀耳桃膠」という冷たいデザート。黒いものが棗、白いコンニャクみたいなのが白キクラゲ、ベースは桃膠(タオジャオ)という桃の樹液から作られた柔らかいゼリーみたいなもの。画数多くて仰々しい字面だけど、よくよく見ると内容そのまんまな名前。

 

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キラキラで綺麗。

 

シロップ薬かちょっと黒糖や烏龍茶のような風味もある甘苦くて滋味深い味。棗は参鶏湯作った時の余りでドライフルーツのものは食べたことがあったけど、こんなにツヤツヤでしっかりしたものは初めて食べた。プルーンに似てるけどもっと皮が固くてモソモソしている。こう書くとマズそうだが食べ応えがあって自分は好きだ。仙草ゼリーとか薬っぽい味がわりと好みなのと、口当たりがサラッとしているのが美味しかった。

また、ゆりねとか蓮の実とか、メニューの中に先日受けた漢方検定のテキストで何度も目にしたものの食材としてはいまだ未体験の名前が沢山あって楽しい。今日初めて食べた白キクラゲもテキストの中で喉の乾きを潤す効能があると書かれていたけど、確かに水分が補われてしっとりしたような気がする。

 

未体験の食材を初めて食し、自分が戸惑いながら知識に組み込んでいる過程を当事者ながら眺めてみると面白い。味や舌触りを確かめては名前と照らし合わせて、感覚と頭を往来して似たような既知の食材を検索してみるけど、やっぱりその食材のユニークさは替えがたく、なるほどなるほどと口に運んでいるうちに納得されてゆく。異国の食べ物や変わった料理に興味津々ですぐ試したくなるのはもちろん好奇心ゆえのものではあるが、こういう理由もあるのかもしれんと思った。